破産申立権者として、債権者、債務者、債務者に準ずる者がいる(破産法18条、19条)。
破産手続開始の決定がされた場合に破産債権 (破産法2条5号) を有する者は、申立権を有する (破産法18条1項)。
期限付債権、金額不確定の債権 、条件付債権であっても可能である(破103条)。
なお、債権者が破産申立てをするためには、その有する債権 (申立債権)の存在および破産手続開始の原因となる事実を疎明しなければならない (破18条2項)。これは、単なる嫌がらせや威嚇の手段にするための破産申立てなど濫用的・有害的な破産申立てを阻止するためである。
債務者自身も申立権を有する (破18条1項)。
(※ こちらの自己破産が一般的であり、上記の債権者破産は実務でも少数である。)
債務者が法人の場合、個々の取締役や理事にも破産申立権が認められている。
一般社団法人の理事、株式会社の取締役、合名会社・合資会社・合同会社の業務執行役員等は、法人に対して破産申立てをすることができる (破19条1項、2項)。
この場合は法人自体が破産申立人になるわけではないため、自己破産と区別して、慣行上 「準自己破産」と呼ばれている。
(定義)
第二条 この法律において「破産手続」とは、次章以下(第十二章を除く。)に定めるところにより、債務者の財産又は相続財産若しくは信託財産を清算する手続をいう。
2 この法律において「破産事件」とは、破産手続に係る事件をいう。
3 この法律において「破産裁判所」とは、破産事件が係属している地方裁判所をいう。
4 この法律において「破産者」とは、債務者であって、第三十条第一項の規定により破産手続開始の決定がされているものをいう。
5 この法律において「破産債権」とは、破産者に対し破産手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権(第九十七条各号に掲げる債権を含む。)であって、財団債権に該当しないものをいう。(破産手続開始の申立て)
第十八条 債権者又は債務者は、破産手続開始の申立てをすることができる。
2 債権者が破産手続開始の申立てをするときは、その有する債権の存在及び破産手続開始の原因となる事実を疎明しなければならない。(法人の破産手続開始の申立て)
破産法
第十九条 次の各号に掲げる法人については、それぞれ当該各号に定める者は、破産手続開始の申立てをすることができる。
一 一般社団法人又は一般財団法人 理事
二 株式会社又は相互会社(保険業法(平成七年法律第百五号)第二条第五項に規定する相互会社をいう。第百五十条第六項第三号において同じ。) 取締役
三 合名会社、合資会社又は合同会社 業務を執行する社員
2 前項各号に掲げる法人については、清算人も、破産手続開始の申立てをすることができる。
3 前二項の規定により第一項各号に掲げる法人について破産手続開始の申立てをする場合には、理事、取締役、業務を執行する社員又は清算人の全員が破産手続開始の申立てをするときを除き、破産手続開始の原因となる事実を疎明しなければならない。
4 前三項の規定は、第一項各号に掲げる法人以外の法人について準用する。
5 法人については、その解散後であっても、残余財産の引渡し又は分配が終了するまでの間は、破産手続開始の申立てをすることができる。
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