特別清算

特別清算とは

解散後清算中の株式会社について、清算の遂行に著しい支障を来すべき事情または債務超過の疑いがある場合に、裁判所の監督の下で行われる特別の清算手続きです。
※清算型の(裁判所の関与がある)法的整理手続きです。
※特別清算手続を経た後、会社の法人格は消滅します。

協定型と和解型

特別清算には、協定型と和解型があります。

特別清算にかかる期間

手続開始から終結までに、一般的にはおおよそ以下の期間がかかります。

特別清算のメリット(会社破産との比較)

(1) 会社破産と比較するとネガティブなイメージが薄い。

そのため、大口債権者の賛成が得られるのであれば、会社破産ではなく特別清算を利用する方がよい場合があります。
例えば、親会社が経営難の子会社を消滅させたいが、破産手続きを選択すると社会的にネガティブなイメージを与えてしまってグループ全体のイメージダウンとなるような場合に、特別清算を選択することでそれを避けることができます。

(2) 会社に主導権がある。

破産管財人は存在せず、株主総会で選任された清算人が財産管理処分権を有します。
一般的には会社の取締役などが清算人となりますので、会社が主導権を維持したままで手続きができます。

(3) 予納金が低額。

東京地裁では予納金は5万円で済みます。

(4) 取引先に有利に返済できる場合がある。

特別清算における協定は、破産手続きのように債権額に応じて按分で配当される形式的な平等を実現するのとは異なり、債権の額や種類(商取引債権かどうか)などによって異なる扱いをすることが可能です。そのため、金融機関よりも取引先への返済に配慮することが可能なことがあります。

(5) 手続きの簡略化・迅速化

例えば、債権者数が少なく、事実上税金対策のために特別清算を利用する場合、協定でなく、債権者との個別和解によって債権者集会を行わなくて済むなど手続きの簡易化・処理期間の短縮化ができます。

(6) 否認権制度がない。

そのため、特別清算に先立って私的整理を行った後に特別清算を利用することが可能です。
※否認とは、会社が一部の債権者にのみ返済したような場合に、後に破産管財人によってそれが偏頗弁済(へんぱべんさい)であるとして、返済された分を破産財団に戻すよう破産管財人から(返済を受けた債権者が)請求されることです。

特別清算のデメリット(会社破産との比較)

(1) 大口債権者の賛成(債務総額の3分の2以上の同意など)が得られない場合には利用できない。

その場合は会社破産を選択することになります。

(2) 株式会社のみが利用でき、(特例)有限会社は利用できない。

(3) 否認権を行使して財産を取り戻す必要がある場合は、会社破産手続きを利用する必要がある。

特別清算の手続きの流れ


 
1 取締役会決議による株式総会の招集
※取締役会設置会社のみ
▼ 招集通知発送後[原則]2週間
2 株主総会決議による解散及び清算人の選任
▼ 解散後2週間内
3 解散と清算人選任の登記
▼ 解散後遅滞なく



4 債権申出の公告及び知れたる債権者への催告
▼ 解散後遅滞なく
5 清算財産目録・清算貸借対照表の作成
▼ 招集通知発送後[原則]2週間以内
6 清算財産目録等の株式総会の承認



7 特別清算手続開始申立
8 特別清算開始決定
9 開始決定時の清算貸借対照表・財産目録の提出
10 月次報告書の提出(毎月10日)
11 財産の換価・回収
▼ 公告から2ヶ月後
特別清算(和解型)
12 和解条項案の作成、提出
13 和解契約許可申立、許可決定
14 和解契約に基づく弁済
15 終結決定申立
16 特別清算終結決定
▼ 公告から2ヶ月後
17 終結決定確定、登記簿閉鎖
特別清算(協定型)
12 裁判所に協定案の提出及び債権者集会開催の届出
▼ 債権者集会開催の届出から1ヶ月以上
13 債権者集会の開催
14-1 協定認可決定
14-2 協定認可決定の確定協定の遂行
15 終結決定申立
16 特別清算終結決定
▼ 債権者集会開催の届出から1ヶ月以上
17 終結決定確定、登記簿閉鎖
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