個人破産と個人再生では、返済する金額が決定的に異なります。個人破産の方が圧倒的に有利です。
例えば、会社の債務額が4,000万円でその全額につき経営者が連帯保証をしている場合ですと、個人破産と個人再生のそれぞれの手続きにおける(連帯保証分の)返済額は以下のようになります。
返済額 | |
---|---|
個人破産 | 0円 |
個人再生 | 400万円 |
上のように返済額に大きな違いがあるにもかかわらず、個人再生を選択するメリットは、先にも書きましたように、以下の2点です。
個人破産の場合は資産を処分する必要があるため、(賃貸でない)自宅を失うことになります。 これに対して、個人再生の場合は自宅を残すことができます。住宅資金特別条項により住宅ローンだけは全額返済して、その他の債務のみをカットするからです。
個人破産をすると一定の資格が一定期間(約3~4ヶ月間)制限されます。主なところでは、保険外交員、警備員、宅地建物取引主任者、旅行業務取扱管理者、証券外務員などがこれに当たります。
これに対して、個人再生ではこのような資格制限がありません。
個人破産 | 個人再生 | |
---|---|---|
メリット | 返済額は0円 | ・自宅を残すことができる ・資格制限を回避できる |
デメリット | ・自宅を残すことができない ・資格制限を回避できない |
返済額は400万円(上記例の場合) |
なお、ご自宅を残したいがために、個人破産ではなく、無理な返済スケジュールを立てて個人再生を選択する方がおられますが、少なくない確率で再生の途中で返済ができなくなり、結局は個人破産に移行することがあります。
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